テセウスの私の備忘録

日々の閃きやどこかで見聞きした趣深い話を独自に抜粋・解釈したものを書きます。

TES5 世界史

はじめに

 ここではTES5の舞台である第四紀201年を「現在」として、そこに至るまでの時代構成である「夜明けの時代」「エルフの時代」「第一紀」「第二紀」「第三紀」「第四紀」を時系列順に解説していきます。

 時代の流れを解説の趣旨としていること、文章量が膨大なものになってしまうことから、各登場人物の詳細な経歴など、時代の流れを理解するうえで不要と判断した情報は割愛しております。そのため、本作をプレイし基本的な世界観をご理解されたうえでご覧いただいたほうがよいかもしれません。

 なお解説にあたりましては、ニュアンスなどから誤解の生じることのないよう表現や言葉遣いには細心の注意を払い、また正確な内容をお伝えするために十分な調査を行っているつもりですが、あくまでも参考程度に留めてくださいますようお願いいたします。

夜明けの時代

 夜明けの時代には、神が生まれ、ムンダス星系やニルンができた。最初の神として、虚無の空間アービスに、アヌ的存在である絶対神アカトシュが現れた。彼はアービス内にて、色、形、時間、臭い、空間、物理法則などあらゆる“理”を生み出した。それが原因となってか、その後アービスは均衡・秩序の力であるアヌと変化・混沌の力であるパドメイが重なりせめぎ合い、このせめぎ合いにより多くの神が誕生した。アヌではエイドラが生まれ、パドメイではデイドラが生まれた。この頃、魔法の神マグナスや森の神イフレなど、物語に関わる主要な神々が生まれた。この時点では、全ての神は不老不死の存在であった。

竜を化身とするアカトシュ

 パドメイ的存在である神ロルカーンが、ニルンの創造を考案した。ロルカーンはパドメイ的存在*1ではあるものの、エイドラにもデイドラにも分類されない。いわゆる創造神だが、アカトシュとは対照的な存在とされる。ちなみに、タムリエルはロルカーンの持つオブリビオンの領域であるとの説もある。ロルカーンはエイドラをはじめとした多くの神々を説得し、ニルン創造に参加させた。なお、参加者は参加時にロルカーンと契約を交わし、その契約により不死ではなくなった。

 マグナスは代表的な参加者としてムンダス星系の設計・建造を始め、多くのエイドラたちも彼に協力したが、デイドラたちはロルカーンの提案を拒み、各々好きな世界を創り始めた。この時デイドラたちの創った領域がオブリビオンであり、各領域の創造主はデイドラ王となった。デイドラ王という地位はここで確立した。

 数千年後、秩序を司るデイドラ王ジャガラグが、他のデイドラたちによって、狂気で呪われてしまった。当時のジャガラグは強大すぎる力を持っており、他のデイドラ王たちの領域を脅かしてしまったことが原因とされる。これにより彼は狂気を司るデイドラ王シェオゴラスに変化してしまった。

 当時のムンダス星系は時の流れが不安定で混沌としていた。そのためか、ムンダス星系創造に携わった神々の多くは、犠牲として自らの能力を失うか、死んでしまった。ニルンでは定命の者*2が創造された。

 マグナスとその従者たちは、ムンダス星系創造計画をロルカーンの罠であると判断し、創造を断念して空間に穴を空けエセリウスへ逃げ帰った。多くの神々が死んだことも、彼らの不安を増大させた要因の一つであろう。この時点でニルンは概ね完成していた。

 ロルカーンはエイドラたちには秘密で、彼らの霊を創造の代償としてニルンに結びつけた。というのも、何かを創造する際には代償が必要らしく、ロルカーンはそれを自らで払いたくなかったのだ。自らの霊をニルンに結びつけられたエイドラたちは、ニルンの行く末を見守り続けざるを得なくなってしまった。

 これまでのロルカーンの所業をさすがに無視できなくなったアカトシュが、ロルカーンを止めるためムンダス星系を訪れた。その際、故意にか否かは不明だが、自身のもっていたのうをニルンのハイロックにあるバルフィエラ島に落とした。アカトシュ自らもムンダス星系の代償を払おうとしたのかもしれない。嚢とは一般に巾着袋のようなものまたは内臓のことをいい、ここでの嚢が具体的に何なのかは不明である。

バルフィエラ島

 これにより、全ての精霊と創造の混沌が結晶化し、時間が正常に進み始めた。不安定だった世界は安定を取り戻し、これをもって夜明けの時代は終焉を迎えた。なお、後に「マグナスの目」という秘宝について解説するのだが、これは夜明けの時代にニルンに落下した可能性が高い。

エルフの時代

 神話紀2500年、世界の安定に伴いエルフの時代が始まった。バルフィエラ島のアカトシュの嚢の落下地点に、後にタムリエル最古の建物として知られることとなるアダマンチンの塔が建った。伝説ではエイドラたちが建てたとされており、実際に未知で不朽の物質からできているとのことから、個人的にもその通りなのだろうと思う。

アダマンチンの塔(画像右奥)

 アカトシュはロルカーンを罰するために神々を招集して会議を開き、罰の内容を決めた。その後アダマンチンの塔の頂上で、エイドラ神トリニマックロルカーンの心臓をもぎ取り、それを結びつけた矢をアカトシュがニルンのタムリエル北東の海へ放った。こうしてロルカーンは死んだが、放たれた心臓は生き続けているともいわれる。心臓は火球となって落下し、その衝撃で火山活動が起こり、レッドマウンテンとヴァーデンフェル島が形成された。タムリエル最古の定命の者として、獣人種が文字のない原始的な社会をタムリエル全域に形成し始めた。

レッドマウンテンとヴァーデンフェル島

 アルドマーはアルドメリスに住んでいたが、アルドメリスの崩壊に伴いタムリエルに入植してきた。彼らはタムリエルの海岸線に沿って、南西から中心に向かって居住地を広げていった。この時点で、アルドマーの故郷はサマーセット島となった。

サマーセット島

 知能が高く教養のあったアルドマーは、獣人種と遭遇すると、彼らを山や荒れ地、沼地、ジャングルなどへ追いやった。アルドマーはタムリエル各地で様々な進化を遂げ、現在の多種多様なエルフ種が生まれた。エルフの中で特に強大な力を持っていたディレニ族はアダマンチンの塔を発見し、それをディレニの塔と名づけ、ハイロックとともに支配した。支配の象徴として、アイレイドがシロディールに白金はっきんの塔を、そしておそらくハイエルフがサマーセット島に水晶の塔を建てた。このように、エルフの歴史の最初期から彼らの傲慢さが窺えるわけだが、白金の塔と水晶の塔を自分たちで建てている以上、既に少なくとも非常に高度な建築技術をもっていたことは確かだろう。

白金の塔

水晶の塔(画像中央奥)

 アイレイドは、サマーセット島のアルドマーの中のデイドラ信仰者たちがシロディールへ移住した派生種族である。彼らはアルドマーの支配下にあったが、島からの物理的距離ゆえに事実上独立しており、シロディールを支配した。アルドマーはアイレイドの支配に手を焼いていた。ドゥーマは広大な地下都市を造り発展した。他にも様々なエルフの発展があった。

 サマーセット島のアルドマーには複数の派閥があり、その中の一派閥に反体制派があった。反体制派は従来のアルドマーの支配体制に異議を唱え、指導者ヴェロシを中心に島から離れようとした。そこで、当時アルドマーから英雄神として崇められていたトリニマックが、反体制派の活動を止めようとした。虚偽・暗殺・陰謀・反逆・権力の転覆などを司るデイドラ王ボエシアが、この反体制派の反逆に興味を持ち、トリニマックとボエシアとの間で戦いが起こった。

ボエシア

 トリニマックの実力は圧倒的で、体制派のアルドマーは彼の勝利を疑わなかったが、ボエシアは得意の策略を駆使してトリニマックを罠にはめ、遂には弱体化したトリニマックを食べてしまった。その後、ボエシアの排泄物の中から追放・拒絶・復讐を司るデイドラ王マラキャスが生まれた。このことから、トリニマックとマラキャスは同一視されることが多い。

マラキャス

 その出生から、マラキャスは他のデイドラたちから馬鹿にされ、デイドラ王として認められなかった。その後、ボエシアの影響で反体制派のアルドマーがチャイマーに変化した。彼らはそれをボエシアの祝福と解釈し、救世主としてボエシアを信仰し始めた。ボエシアもまた、彼らを見守り続けることにした。一方、体制派のアルドマーは呪いを受け、オークに変化した。この変化はボエシアによるものであるともいわれる。彼らは運命を共にする神として、マラキャスを信仰し始めた。おそらく多くのプレイヤーには、デイドラたちはいわば分かりやすい絶対悪と認識されがちで、デイドラ信仰者のことを全く理解できない者も多いだろうが、このような歴史的な経緯を知れば、彼らの信仰心を多少理解できると思う。

オーク

 この件に直接関わらなかったアルドマーは、そのままサマーセット島で生活し続け、やがてハイエルフとなった。彼らに信仰対象はなく、純粋な血族という自負からやや他種族を見下すようになった。

ハイエルフ

 ヴェロシ率いるチャイマーはモロウウィンドへ移住し、力強く野望に満ち長命な種族として名を残した。彼らはモロウウィンドにてドゥーマーと遭遇した。神を敬っていた彼らは、科学や機械といった文化、そしてそれを扱うドゥーマーを嫌っていながらも、ドゥーマーの土地や資産は求めており、何世紀にもわたり争った。

モロウウィンド

 最古の人間種であるネディック人はアトモーラに住んでいたが、内戦の激化や寒冷な気候を理由に南下し、タムリエル全土へ散らばっていった。彼らは魔法の知識をもっておらず、自分たちより文化的に優れていたアルドマーに支配されることとなった。特に有名なのがアイレイドによる支配で、彼らの支配下にあったネディック人は後にインペリアルとなった。

インペリアル

 イスグラモルと彼の部下たちはジョルバスクルという船に乗ってスカイリムに上陸し、居住地を広げる中で伝説の巨大都市サールザルを造った。

イスグラモル(左)と、現在は建物の屋根に再利用されているジョルバスクル(右)

サールザル

 彼らはタムリエルへ移住した最初のノルドといわれ、以降ノルドは一種族として知られ、繁栄していくこととなるが、この時点での彼らをネディック人とすべきかノルドとすべきかは難しい問題である。

ノルド

 彼らは既にタムリエルにいたアルドマーとはしばらく共存したが、イスグラモル一行がサールザルの地下で埋蔵されていた強力な秘宝「マグナスの目」を見つけたことにより関係が悪化し、イスグラモルは部下をアルドマーに皆殺しにされてしまった。これが後に「涙の夜」として知られる大虐殺事件である。アルドマーにマグナスの目を奪われ、生き残ったのはイスグラモルと2人の息子のみであった。

現在はスカイリムのウィンターホールド大学内にあるマグナスの目

 マグナスの目は、アカトシュの嚢やロルカーンの心臓に近い秘宝であり、魔法の力そのものといわれる。その全貌は現在も未解明で、マグナスの目を制御するには別途マグナスの杖が必要になる。先にも述べたが、状況から察するに何らかの理由で夜明けの時代にニルンに落下した可能性が高い。個人的には、マグナスがムンダス星系創造計画を放棄してエセリウスへ逃げ帰る際、酷く慌てていたために、ムンダス星系創造に使っていた自らの目と杖を置いていってしまったのではないかと思う。マグナスの目には少なくとも「使用者への攻撃を無効化する力」「巨大な障壁を作り出す力」「魔法攻撃をする力」の3つの力があり、アルドマーにとって極めて魅力的なものであった。

マグナスの杖

 イスグラモルはアトモーラへ逃げ帰ると、伝説の500人の同胞団と共にスカイリムへ帰還し、アルドマーをスカイリムから追い出した。なお、同胞団はホワイトランのジョルバスクルを本拠地に現在も活動している。

現在も活動している同胞団

 イスグラモルは後の帝国の土台を形成し、スカイリムにタムリエル最古の人間種の都市ウィンドヘルムを建設した。

ウィンドヘルム

 イスグラモルはアルドマーの文字を翻訳し、ノルド語を作った。また人類初の歴史学者としても名を残した。

 アルドマーがいなくなると入植が本格的に始まり、アトモーラからスカイリムへ様々な文化が持ち込まれた。そんな中で動物を神として崇める宗教が生まれると、太古より存在し動物の頂点とされていたドラゴンの崇拝がなされるようになった。

ドラゴン

 ドラゴンは、声を力に変える魔法を自在に操り、人の言語も使いこなすほどの高い知性を持つ生物である。彼らは肉体が滅びても魂は死なず、基本的には不死の存在ともいわれる。その全貌は分かっていないが、アカトシュが作ったとされる。ドラゴン語という独自の言語をもち、その一文字一文字に力が宿るとされる。その一文字一文字を正しく発音することで、シャウトという魔法を使うことができる。スゥームとも呼ばれ、ドラゴン語で「叫び」を意味する。各シャウトは3文字からなり、1文字から発動することができるが、3文字全てを発音することで最大の力を発揮する。

 ドラゴンは文明と高い知性、強大な力を持っていたが、圧倒的な存在であり、当初人々に危害を加えることはなかった。しかし年月が経つにつれ、ドラゴンは人の支配を試み始めた。ドラゴンは自らに従う人を選別し、力を与えた。力を与えられた人はドラゴンプリーストといわれ、人とドラゴンとの間を取り持つ役割を担った。ドラゴンプリーストは、その力の象徴として竜教団を設立し、存在感を増していった。竜教団は圧制によりスカイリムを支配した。あまりに強大であった彼らに抗えるノルドはいなかった。竜教団の一員であったミラークは、スカイリム北東の島ソルスセイムの支配を担当した。

ドラゴンプリーストたちは特徴的な仮面を着けていた(左上がミラーク)

 やがてノルドの不満は頂点に達し、竜教団への反乱である竜戦争が勃発した。ノルドの反乱軍は健闘したが、ドラゴンとドラゴンプリーストによる多数の犠牲者が出た。ドラゴンの王であったアルドゥインは死んだドラゴンを復活させる「復活のシャウト」という能力を持っており、反乱軍に勝ち目はなかった。

アルドゥイン

 この大惨事を見てノルドを憐れんだ、自然や天候を司るエイドラ神キナレスが、ドラゴンたちに争いをやめるよう訴えた。キナレスはムンダス星系の創造にも参加したとされ、今回の件以降ノルドからの信仰は特に強いものとなった。キナレスの訴えにより、パーサーナックスを含む数頭のドラゴンと、ミラークを含む数人のドラゴンプリーストが反乱軍側へ寝返った。パーサーナックスはドラゴンの力の象徴であるシャウトをノルドに教えた。

キナレス(左)とパーサーナックス(右)

 これにより、ノルドの中からドラゴンボーンと呼ばれる者が現れ始めた。シャウトは発音を覚えたり真似したりするだけでは使えず、一般人が習得するには年単位の時間を要するとされる。ドラゴンボーンは、シャウトを学ぶ者の中で、それを短期間で最大限に使える才能のある者のことをいい、ドラゴンと同等の力を有するとされる。彼らの多くは自らがドラゴンボーンであることに無自覚なまま一生を終えるといわれる。ドラゴンボーンには先天性の者と後天性の者がいる。前者は生まれながらにアカトシュの祝福を受けた存在であり、ドラゴンの魂を吸収し、通常不死の存在であるドラゴンを殺すことができるとされる。後者は後天的にアカトシュの祝福を受けた存在であり、シャウトは使えてもドラゴンを殺すことはできないとされる。初代ドラゴンボーンとなったミラークはさらなる力を求め、記憶・時間・知識などを司るデイドラ王ハルメアス・モラの作った秘宝である黒の書を入手した。

ハルメアス・モラ(左)と黒の書の内の一冊(右)

 黒の書を読んだ彼は「服従」というドラゴンをも従わせることのできるシャウトの存在を知り、ハルメアス・モラと魂の契約をした。大まかな契約の内容は、ハルメアス・モラから服従のシャウトを授かる代わりに、その力で負けたらハルメアス・モラの領域アポクリファに幽閉されるというものであった。ミラークはその力と知識で魔力の宿った仮面を作り、それを他の数人のドラゴンプリーストたちに分け与えた。やがて竜戦争は反乱軍の勝利に終わった。ドラゴンとドラゴンプリーストは徐々に倒されていったが、復活のシャウトを使うアルドゥインの存在が戦争を長引かせた。ここで隻眼のハコン黄金の柄のゴルムレイス古きフェルディルという、アルドゥイン討伐を目指す3人の英雄が登場した。彼らは星霜の書という秘宝を使い、アルドゥインを殺すのではなく別次元へ飛ばす方法を思いついた。

上からハコン、ゴルムレイス、フェルディル、星霜の書

 彼らによってスカイリム最高峰の山「世界のノド」まで追い詰められたアルドゥインは、遂に時の彼方へ飛ばされた。

世界のノド

 竜戦争後、ドラゴンの残党は第二紀が終わる頃には狩り尽くされたといわれる。ミラークは前述の3人の英雄とは共に行動せず、一人で戦っていた。その最中、かつての戦友ヴァーロックという強力なドラゴンプリーストと戦い、激闘の末敗北してしまった。

現在では白骨化しているヴァーロック

 ミラークは気の遠くなるような長い時間をアポクリファで過ごすこととなった。竜教団は存続したが、彼らにはドラゴンの再来を祈る以外にできることがなかった。現在まで残る多くのドラゴンの古墳は、彼らが作ったとされる。シャウトは世界のノドの頂上にある修道院ハイフロスガーにて、グレイビアードと呼ばれる修行僧たちによって現在まで伝承されている。なお、彼らの長はパーサーナックスである。現在では、多くの者がドラゴンを伝説上の生物と考えている。

ドラゴンの古墳(左)とグレイビアードたち(右)

第一紀

 1年、ヴァレンウッドにて、キャモラン朝エプレア王によって王国が樹立された。キャモラン王朝はシロディールとサマーセット島を分断した。白金の塔が都市国家として独立した。

 10年、ハイロックにて、トルグ・グロ・イグロン都市国家オルシニウムを建国し、ロスガリアン山脈のオーク諸部族をまとめあげた。

 68年、アトモーラから最後の船がタムリエルに到着した。これ以降、アトモーラは人の暮らせる土地ではなくなった。

 143年、スカイリムにて、イスグラモルの子孫13代目にあたるノルドの王ハラルドが北方地域を統合し、タムリエル初の人の国家スカイリムを建国した。彼はアトモーラに残る先人の全遺物の放棄を宣言した。彼は全エルフを国境外へ追いやり、スカイリムは名実ともに人の土地となった。また、スカイリムの南東部一帯を領土とするリフト要塞の山中で竜教団の最後の一派を発見し、事実上の根絶に成功した。彼の統治は異常に長く続き、100年以上の生涯を終えるその日まで王であり続けた。キャモラン朝の成立をもって第一紀の始まりを定義したのも彼である。

リフト要塞(首都:リフテン)

 240年、スカイリム王ヴラージがモロウウィンドとハイロックの大半を征服した。これによりハイロックのディレニ族の支配領域が大きく狭まった。シロディールでは、この侵攻の影響でアイレイドとネディック人との均衡が揺らいだ。

 242年、奴隷の女王アレッシア率いる、奴隷身分であったシロディールのネディック人たちが、当時内乱で疲弊していたアイレイドに対して「アレッシアの反乱」を起こした。自分がいつか必ず死ぬことを理解していながら自らの命を燃やすネディック人たちの姿は、神々の憐れみを誘っていたという。女王アレッシアはこの反乱の過程でアカトシュの恩恵を受け、後天性のドラゴンボーンとなった。未来のものと思われる特殊な武具を身に着けた戦士ペリナル・ホワイトストレークの活躍や、反乱を支持したスカイリム軍の参戦もあり、反乱軍はアイレイドに勝利した。ペリナルはアレッシアがキナレスから遣わされた白髪の英雄であり、神に近い存在とされる。この反乱で、白金の塔以外の全都市国家を征服した。ペリナルは、その防具が人の作ったものでないことは認めたが、それ以上のことは頑なに語らなかった。彼の感情的な性格は様々な史実から窺える。憤怒に身をまかせ非常に大規模な破壊行為をする傾向にあったようで、彼の敵への過剰とも思える報復によって神々からの恩恵を失うことを恐れたアレッシアが、生贄を捧げて祈ることさえあったという。

ペリナル・ホワイトストレーク

 243年、ペリナルが白金の塔でアイレイドの王である魔術王マリルを倒した。これをもって白金の塔が陥落し、アイレイドの帝国が滅亡した。直後ペリナルは戦場にて大声でウマリルの祖先などを侮辱する旨の発言をしたことで、他のアイレイドの王たちによってその体を八つ裂きにされたうえで延命措置を施され、苦しみ抜いて死亡したとされる。死の間際、彼は後悔を口にし、ウマリルがいずれ光明と生命の活力を司るデイドラ王メリディアの加護を受けて戻ってくると予言した。

上からウマリル、メリディア

 生き残ったアイレイドはヴァレンウッドへ亡命した。アレッシアはシロディールにアレッシア帝国を建国し、女帝に即位した。

ヴァレンウッド

 アレッシアはアルドマーとノルドの神々を合わせて八大神とし、これを国教とした。八大神はアカトシュ、キナレス、慈悲や力による正しさを司るエイドラ神ステンダール、歴史、文学、法律、矛盾を司る知恵と論理のエイドラ神ジュリアノス、輪廻、葬儀、埋葬のエイドラ神アーケイ、美、芸術を司るエイドラ神ディベラ、愛を司る豊饒のエイドラ神マーラ、商業を司るエイドラ神ゼニタールであった。なお、アーケイはアカトシュの息子であり、シロディール最初にして最強の神とされる。また、八大神教団も設けられた。

左からジュリアノス、アーケイ、ディベラ、マーラ、ゼニタール(ステンダールは不明)

 246年、ノルドらがハイロックに都市ダガーフォールを建設した。

 266年、アレッシア帝国女帝アレッシアが死亡した。死の床でアカトシュから「王者のアミュレット」を授かった彼女は、アミュレットに魂を捧げ、歴史上初の聖人となった。

 340年、シロディールとヴァレンウッドで通商条約が締結された。

 355年、ハイロックのディレニ族が、陰謀と政治工作で領土を奪還し始めた。

 358年、ハイロックにて、アレッシア帝国とスカイリムの連合軍が西リーチのディレニ族を攻撃した。

 361年、イムガの預言者マルクの教えに従う宗教組織アレッシア会が、シロディールで勢力を持ち始めた。アレッシア会は打倒アルドメリ支配を掲げ、エルフの神々の含まれた八大神信仰を弾圧し、より抽象的で不可解な一神教に取って代わられた。これを受けてか、シロディールとヴァレンウッドの通商条約が中断された。

 369年、当時ヴァレンウッドのキャモラン王朝との戦争に備えシロディールと同盟を結ぶためシロディールに滞在していたスカイリム王ボルガスが、ウッドエルフの狂人ハンター「ワイルドハント」の集団に殺され、イスグラモル朝の直系が断絶した。ワイルドハントの活動は正義か復讐のためとされ、超自然的な獣へ変異し、絶えず姿を変えながら行く手の全てを殺し貪り尽くすといわれる。この世の全ての魔物はワイルドハントによって生まれたとの説もあり、変異者は二度と社会復帰ができないといわれる。スカイリム王を決めるための首長たちの合議「ムート」では、当時王位継承者の最有力候補とされた者が王に選出されなかったため、後継者をめぐり悲惨な内戦が起こった。

ウッドエルフ

 376年、ヨクーダで帝政が崩壊した。以降3世紀にわたり内戦が続いた。

 393年、シロディールのマラーダ神殿から魔族が湧き出たが、アレッシア会により殲滅された。

 401年、チャイマーのインドリル・ネレヴァル将軍と、ドゥーマーの王デュマック・ドワーフオークが、互いを敬愛し尊敬するようになった。共通の敵であるスカイリムの占領軍に対抗するため、エルフの時代以来対立してきたチャイマーとドゥーマーの同盟が2人によって実現し、モロウウィンドを占領していたスカイリムに蜂起した。

デュマック・ドワーフオーク

 416年、スカイリムがモロウウィンドから撤退した。チャイマーとドゥーマーは正式に和平を結び、レスデイン連合国が建国された。

 420年、ホワイトラン首長であった隻眼のオラフが369年以来の内乱を平定し、ムートの承認を得てスカイリム王に即位した。

生前のオラフ(左)と、白骨化した現在のオラフ(右)

 オラフには、スカイリムのアンソール山にてドラゴンのヌーミネックスをシャウトで倒し、生きたままホワイトランへ連れ帰り、宮殿に捕らえたという伝説がある。既に老いて弱っていたヌーミネックスをオラフが苦もなく倒し、自身に英雄的な脚色をしたとの説もある。

アンソール山

 ホワイトラン首長の椅子の後ろにヌーミネックスの頭蓋骨が飾ってあることから、ヌーミネックスは囚われの身のまま一生を終えたと思われる。ドラゴン捕獲のために造られたホワイトランの城塞はドラゴンズリーチと名付けられ、現在に至るまで首長の居城として使われている。なお、この内戦によりスカイリムは弱体化し、最終的にそれまで支配下にあったシロディール、ハイロック、モロウウィンドの大半を失い、ウィンドヘルムなどの街が破壊された。また、レスデイン連合国から亡命したドゥーマーのアーケン一族が、ヴォレンフェル王国を建国した。

現在ドラゴンズリーチに飾られているヌーミネックスの頭蓋骨

 461年、シロディールにて皇帝ゴリエウス戴冠式がなされた。アネクイナのダルロック・ブレイ、スカイリム王クジョリック、その息子ホーグ・メルキラー、ネレヴァル将軍、デュマック王、ディレニ族のライエイン・ディレニなどが出席した。

 472年、シロディールにて、スキングラード王国のリスラヴ・ラリッチ王子とクヴァッチ王国のベレン王女が結婚した。コロヴィア地方で争い続けていた両国は同盟を結んだ。

キングラード王国(右)とクヴァッチ王国(左)

 477年、ディレニ族がハイロックを征服し、スカイリムとハンマーフェルの一部を占領した。

 478年、スカイリムとアレッシア帝国との間でサンガードの戦いが起こった。シロディール皇帝ゴリエウスがスカイリム王クジョリックを戦場で打ち破った。クジョリックの後継者には息子のホーグが選ばれた。コロヴィア西部では疫病が流行し、スキングラード王族が概ね死亡した。帝都にて難を逃れたリスラヴ王子の兄ドラルドが王に即位するが、彼はスキングラード王国を帝都に献上しようとした。これに激怒したリスラヴ王子は、クヴァッチ王国軍と共にドラルドを討った。王に即位したリスラヴは、スキングラード王国の献上を撤回した。コロヴィア地方への足掛かりを失ったシロディール皇帝ゴリエウスが、自ら大軍を率いてスキングラード王国を攻撃したが、リスラヴ王の作戦によりスキングラード王国が奇跡的に勝利した。この影響で、他の小国もシロディール帝国から離脱し、独立領域コロヴィア領が形成された。この戦争がアレッシア覇権の終焉の始まりだったといわれる。

 479年、ライエイン・ディレニがハイロック内のアレッシア教義を禁じ、支持者らを処刑した。

 480年、ハイロックのダガーフォールが、小規模のディレニ族と同盟国のための作戦基地となった。

ダガーフォール

 482年、ハイロックにてグレヌンブリア沼地の戦いが起こった。ディレニ族とスカイリムの連合軍がアレッシア軍に勝利したが、ディレニ族にも多大な犠牲が出たため、ブレトンの勢力拡大を抑えられなくなった。

ブレトン

 シロディールでは、アレッシア会の影響力が数十年のうちに大きく後退することとなった。この戦いでスカイリム王ホーグが戦死し、イスミール・ウルフハースが王に即位した。彼はノルド崇拝を復活させ、スカイリム内のアレッシア会聖堂を破壊し、聖職者を処刑した。彼はシャウトの達人であったとされる。死後にロルカーンによって蘇生され、アンダーキングとしてレッドマウンテンの戦いに参戦したり、後に登場するタイバー・セプティムに協力したりしたともいわれる。

 489年、ディレニ族がハイロックの大半をブレトンに奪われ、エルフの支配が終わった。

 609年、ハイロックのダガーフォール王国がグレンポイント軍を破り、南部最強の国となった。

 610年、マンセル・セスニットが独裁者となり、ヨクーダ大半を8年間支配した。

 617年、マンセルが暗殺され、ランディック・トルンが統一事業を継承した。

 660年、スカイリムにて、ドラゴンウォールの戦いが起こり、スカイリム軍がマラキャスに勝利した。マラキャスは東へ逃げ、レッドマウンテンの噴火を起こしたとの説がある。

 668年、ドゥーマーの指導者・研究者・哲学者であるカグレナクが、ロルカーンの心臓とされる石を見つけ、これから異常な力を引き出すことに成功し、それを動力源とした人造神ヌミディウムを作った。また、心臓から神の精髄を取り出すための道具として、籠手「レイスガード」・槌「サンダー」・剣「キーニング」の3つのアーティファクトを作った。3つを合わせてカグレナクの祭器といわれ、槌は精髄を取り出し、キーニングは精髄を形としてまとめ、籠手は槌と剣の魔力から使用者を守る役割であった。使用者は神と同等の力を得て、不死になるとされる。

左からレイスガード、サンダー、キーニング

 彼はヌミディウムの力で全ドゥーマーを不死にする計画を立てた。この情報を得たダゴスが、これを親友であるネレヴァルへ伝えた。これを神への冒涜だと激怒したチャイマーは計画に大反対し、ソーサ・シルヴィヴェク、ネレヴァルの妻アルマレクシアドゥーマーとの開戦を進言した。

上からソーサ・シル、ヴィヴェク、アルマレクシア

 悩んだネレヴァルはデュマック王に真実を尋ねたが、カグレナクは憤慨し、真実を隠蔽した。ネレヴァルは薄暮と黎明を司るデイドラ王アズラに助言を請い、アズラから計画が真実であることを知った。これを受けソーサ・シル、ヴィヴェク、アルマレクシアが再び開戦を進言し、ネレヴァルは兵を引き連れ、デュマック王に問い質したが、計画を知らなかったデュマック王はドゥーマーが侮辱されたと感じ擁護し、第一評議会戦争が起こった。

アズラ

 700年、レッドマウンテンの戦いが起こった。ソーサ・シル、ヴィヴェク、アルマレクシアがドゥーマー軍を引き付けている間に、ダゴスとネレヴァルが砦内部へ潜入した。彼らは心臓の間でデュマック王を発見した。ネレヴァルはデュマック王を倒したが、相打ちに近く、自身も重傷を負った。デュマック王の死を受け、カグレナクは持っていた祭器をロルカーンの心臓へ向けた。その瞬間、ハンマーフェルのロアーケン一族を含む全ドゥーマーがタムリエルから跡形もなく消滅し、チャイマーは勝利した。この消滅が計画失敗の結果なのか、不死化成功の結果なのかは不明である。かくして戦争はチャイマーの勝利に終わり、心臓と祭器はチャイマーの指導者らの物となった。指導者の一人ダゴスは、危険すぎるこれらを直ちに破壊すべきとネレヴァルに進言したが、ネレヴァルはソーサ・シル、ヴィヴェク、アルマレクシアとも相談したいと言い、これらをダゴスに預けて3人のもとへ向かった。3人は保管・研究すべきと主張したが、ネレヴァルは反対し、ドゥーマーのような下劣な意図で祭器を使わないことをアズラに誓わせた。ネレヴァルと3人が心臓の間へ戻ると、心臓に魅せられたダゴスが精神に異常をきたしており、心臓の引き渡しを拒んだ。そして自らをダゴス・ウルと名乗り、攻撃をしてきたため、ネレヴァルによって倒された。

ダゴス・ウル

 ネレヴァルは重傷を負い、既に不死となっていたダゴス・ウルは家来と共に逃げた。なお、以後彼は心臓の力でタムリエルの支配を企てるようになる。戦争後間もなく、レッドマウンテンが噴火した。数年後にネレヴァルが死亡したが、デュマック王との戦いの傷を原因とする説と、心臓と祭器を慎重に扱い力を利用すべきと考えたソーサ・シル、ヴィヴェク、アルマレクシアの3人による暗殺とする説がある。ネレヴァルは生涯心臓の誘惑に負けなかったとされる。ネレヴァルの死後、ソーサ・シルが心臓を研究し、祭器の謎を解明した。そして心臓の誘惑に負けた3人は、心臓の力により永遠の命を有するトリビュナルとして現人神となった。下劣な意図で祭器を使わないという誓いを破った3人に激怒したアズラは、彼らの前に現れ呪いをかけ、いつかネレヴァルがトリビュナルの不死を終わらせに帰還すると予言した。ソーサ・シルは、今やチャイマーには古い神は必要なく、我々が新たな神だと宣言した。これに激怒したアズラはチャイマーを呪い、全チャイマーがダークエルフに変化した。

ダークエルフ

 真実が明るみに出ることを恐れたトリビュナルは、ネレヴァルを英雄の一人としてのみ後世に伝えた。モロウウィンドのダークエルフの間では、アズラへの厚い信仰に加え、トリビュナルを信仰する宗教も生まれた。以後トリビュナルは強大な力でモロウウィンドを守り、アカヴィリのモロウウィンドへの侵攻やデイドラたちのタムリエルへの干渉を防いだ。

 737年、ヨクーダで約120年間国を治めていた皇帝ランディック・トルンが死亡した。これを受け悲惨な内戦が起こった。

 792年、ヨクーダが沈没した。ヨクーの剣聖団ヒラダージュが戦争に敗北したため大災害が起こったといわれる。レッドガードがタムリエルへ出航した。

 800年、ハイロックにて、商人と漁師の村ウェイレストが設立された。

ウェイレスト

 808年、レッドガードがタムリエル沿岸部に到着し、ヘルネ島を拠点とした。ハンマーフェルへの最初の攻撃軍がゴブリンとネディック人の原住民を虐殺し、ヘルネ島の同胞のための道を開いた。フランダー・ハンディングが調査のため部隊を率いたが、ゴブリンの襲撃で戦死した。息子のディヴァードがゴブリン軍を打ち破り、フランダー・ハンディングは前進の神フーンディングとして崇められることとなった。追い出された獣人族はオルシニウムへ逃げた。間もなくヘルネ島の支配者層も本土へ移住し、ハンマーフェルへの2度の移住はヨクーの民を2大派閥へ分割した。ヨクーダの伝統的な支配者層ナ=トタムブは「クラウンズ」、レッドガードの先兵たちは「フォアベアーズ」となった。

レッドガード

 948年、ハイロックのダガーフォールのジョイル王が、手紙にてハンマーフェルのレッドガードのダイアグナ会ガイデン・シンジに共通の敵国オルシニウムへの共同攻撃を提案し、ブレトンとレッドガードの同盟が結ばれた。これにより、ブレトンとレッドガードの確執は緩和された。

 950年、ダガーフォール王国・センチネル王国・ダイアグナ会の連合軍がオルシニウムへの攻撃を始めた。

センチネル王国

 980年、オルシニウムの守衛隊は強力であったが、30年がかりで陥落した。ガイデン・シンジなどの偉大な英雄が戦死した。

 989年、ハイロックのウェイレストが主要都市へと成長した。

 1029年、アレッシア女帝ヘルタが、同国国境をハイロック方面に拡大させ、スカイリムとの関係を改善した。

 1033年、アレッシア帝国がトパル湾の海賊との戦争を始め、帝国国境をブラック・マーシュ地方付近にまで拡大させた。

 1100年、ハイロックにてウェイレスト王国が建国され、ガードナー朝ファランゲルが王に即位した。

 1200年、「ドラゴンの突破」が始まった。詳細不明。

 1301年、スロードがサマーセット島のスカイウォッチを包囲した。

スロード(左)とスカイウォッチ(右)

 1427年、ハイロックにて、Duncreigh Bridgeの戦いが起こった。

 2200年、スロードによりタムリエルに持ち込まれたスラシアン疫病が流行し、タムリエル総人口の半数以上が病死した。コロヴィア地方のアンヴィル王ベンドゥ・オロが、エイドラの加護を受け海軍を率い、侵略者であるスラス珊瑚群島のスロードを撃退した。大魔道士シラベインが多くの人をスラシアン疫病から救った。現在判明しているスロードに関する情報の多くは、この戦いの記録によるものである。

 2208年、「ドラゴンの突破」が終わった。詳細不明。

 2260年、ジーの16部族のうち、ペレタインとアネクイナ以外がスラシアン疫病で全滅した。

ジー

 2321年、シロディールにて正道戦争が起こった。アレッシア会が属国への締め付けを急速に強め、西のコロヴィア人は東のニベン人の支配に立ち上がった。内戦は110年続き、アレッシア会が壊滅、アレッシア帝国が崩壊した。

 2702年、ハイロックのウェイレストで疫病が蔓延し、住民は壁に囲まれた地域へ移動させられた。また、アカヴィルからアカヴィリ軍が上陸した。

 2703年、西のコロヴィア領レマン・シロディール1世が、東のニベネイ地方を傘下に入れシロディールを統一し、第二帝国の設立を宣言した。レマン朝の初代という意味でレマン1世と呼ばれるが、彼が正式に皇帝を名乗ったことはない。コロヴィアやニベンなどの支配は、アカヴィリから侵攻してきたツァエシ軍に対抗するためであった。そして、各勢力を結集させてシロディール統一軍を結成し、スカイリムのペイル峠の戦いでアカヴィリ軍に勝利した。彼はこの戦いの活躍者カントゥス・ジェリルをコロール伯領の最初の伯爵に任命し、ツァエシの敗残兵を積極的に帝国軍に受け入れた。この中には、後に歴史に名を遺すこととなるヴェルシデュ・シャイエもいた。以後彼はレマン朝の皇帝に重用されることとなった。ブレイズの起源となるツァエシの組織ドラゴンガードは、レマン1世がドラゴボーンであることを知るや否や降伏・服従した。レマン1世はこの一団を新たに組織し、ブレイズの原型を作った。また、ドラゴンファイアを用いた戴冠式や帝国の紋章なども彼の代に作られた。彼は帝国の英雄とされている。

 2714年、シロディールがヴァレンウッドを征服した。

 2811年、シロディールがブラック・マーシュのアルゴニアン最後の軍隊に勝利した。

ブラック・マーシュ

アルゴニアン

 2812年、シロディールがブラック・マーシュを帝国に組み込んだ。

 2813年、シロディリック言語が公用語とされた。アルドメリ言語に代わり、シロディリック言語が全ての法的文書に適用された。シロディリック言語は現在のタムリエック言語の基礎となった。

 2837年、ブラック・マーシュが正式に帝国の属州とされた。ここはハイエルフにアルゴニアと呼ばれ、ここに住むトカゲ型獣人族はアルゴニアンと呼ばれた。

 2840年、シロディールがモロウウィンドへの侵攻を始めた。

 2911年、サマーセット島にて、ハイエルフとスロードによるユヴィチル戦争が起こった。

 2920年、シロディール帝国がアルド・マラクの防衛部隊を破り、モロウウィンドへ降伏を勧告した。ヴィヴェクは降伏条件と今後の両国の関係についてシロディール王子ジュイレックと交渉し、合意した。しかし闇の一党の前身となる組織モラグ・トングにより、シロディール皇帝レマン3世とジュイレック王子が暗殺された。直接皇帝の首をかき切り殺したのは、当時アカヴィリ・ポテンテイトであったヴェルシデュ・シャイエだという。レマン朝は断絶し、シロディール帝国はヴェルシデュ・シャイエによって事実上支配された。彼は第一紀の終焉・第二期の開始を宣言した。モロウウィンドでは、魔女によって召喚された、破壊や野心、変革を司るデイドラ王メエルーンズ・デイゴが、首都モーンホールドを破壊した。その後彼はソーサ・シルとアルマレクシアによってオブリビオンへ追い返された。

メエルーンズ・デイゴ

第二紀

 1年、ヴェルシデュ・シャイエの支配はタムリエルの人々を大きく動揺させたが、彼はその政治手腕をもって行政の効率化に多大な貢献をした。

 230年、サマーセット島のファーストホールド王国にて、同国王ライリス12世とサイジック会のヴァヌス・ガレリオンが魔術師ギルドを創設した。サイジック会としては一部の使いこなせる者のみが魔法を使うべきという考えであったが、ヴァヌス・ガレリオンはこれに反発し、魔術を誰でも使えるように改良した。これが、以後タムリエルで使われるようになる魔術の元となった。また、サイジック会の本拠地であったサマーセットのアルテウム島が謎の消失を遂げた。

 231年、魔術師ギルド保安のためランプ騎士団が結成された。

 283年、ヴェルシデュ・シャイエがタムリエル全土に戒厳令を宣言した。各地の領主の反乱を抑えるべく、帝国属州全ての軍隊に解散するよう命じたが、ほとんどの帰属が抵抗し、帝国中で反乱が起こった。ヴェルシデュ・シャイエはなんとか全反乱を鎮圧し、タムリエル史上初、軍が一つだけになった。

 309年、アネクイナ王ケイルゴとペレタイン女王エシタが結婚し、カジートの統一国家エルスウェーアが誕生した。これにより、大規模な階級闘争が発生した。

エルスウェーア

 320年、シロディールにて、戦士ギルドの前身であるシフィムができた。283年の戒厳令により治安が急激に悪化しており、資金難と軍の枯渇を補うため、貴族などが自由に雇うことのできる「アカヴィリ傭兵団」が結成され、契約料の数%を帝国政府が徴収した。

 321年、戦士ギルドが正式に認可され、当ギルドにはアカヴィリ以外も入団するようになった。

 324年、ヴェルシデュ・シャイエが、エルスウェーアの宮殿でモラグ・トングに暗殺された。息子のサヴィリエン・チョラックが跡を継いだ。モラグ・トングは大陸全土で非合法集団となった。

 360年、モラグ・トングの団員たちが密かに「闇の一党」を結成し、上流階級のダークエルフ以外からも依頼を受けるようになった。

 430年、サヴィリエン・チョラックとその親族全員が、モラグ・トングもしくは闇の一党に暗殺された。これにより、アカヴィリの支配と第二帝国が崩壊した。

 431年、第二帝国の崩壊に伴い、オルシニウムのオークが帝国市民権を剥奪された。

 486年、サマーセット諸島にて、アリノール海軍が一隻を残してマオーマーに撃破された。しかしハイエルフたちは、サマーセット諸島のはるか南にあるマオーマーの故郷ピアンドニア島の情報を入手した。

 547年、アカヴィリ大陸の雪の悪魔王アダスーム・デア・カマールが、アカヴィリ軍を率いてウィンドヘルムを略奪した。モロウウィンドでは、アンダーキングとなったウルアースとアルマレクシアが、アダスームの侵攻を防いだ。

 560年、ブラックマーシュにてナハテン病が流行し、人間部族を滅ぼした。アルゴニアンには犠牲者が出ず、アルゴニアンの魔術師がナハテン病をまき散らしたとの噂が流れた。

 572年、ヴィベクがダークエルフに呼吸法を教え、洪水を起こし、モロウウィンドを攻撃したアカヴィリ軍を全滅させた。

 603年、ブラックマーシュにて、ナハテン病が終息した。

 638年、ハンマーフェル南方にあるストロス・エムカイの魔術師ギルドが公認された。

ストロス・エムカイ

 730年、230年に謎の消失を遂げたアルテウム島が、当時の住民たちとともに再び現れた。しかし、アイアチェシス教義長とアルテウム議会は行方不明であった。以後、アルテウム島は時々その位置を変えているらしく、正確な位置を地図に記すことは困難である。

 812年、エルスウェーアにて、アカヴィリ軍の亡命者たちが再びカジートの「たてがみ」の保護下に置かれた。たてがみは第二帝国崩壊後にも亡命者を受け入れていたが、帝都を一時的に取り戻したリメンの難民がカジートと国境戦争を起こしていた。

 827年、後にノルドの英雄となるタロスが産まれた。出生地はハイロックのアルカイア王国とする説が有力だが、アトモーラ生まれと記す書物もある。

タロス

 830年、ヴァレンウッドにてキャモラン王朝の継承戦争が起こったが、サマーセット諸島が介入しキャモラン・アナクセメスを支援した。アナクセメスに代わりハイエルフが臨時政府「サルモール」を設立した。サマーセット諸島とヴァレンウッドで構成される「アルドメリ自治領」が形成された。

 852年、コロール北に位置する砦の遺跡「サンクレトール」が、ノルドとブレトンの同盟に占拠された。ファルクリース王クーレケイン配下の将軍タロスが拠点奪還に成功した。ノルドの捕虜や将軍たちはタロスの軍に加わり、後にニベン人とコロヴィア人の統合に重要な役割を果たすこととなる。

 854年、ファルクリース王クーレケインが、ハイロックの暗殺者に暗殺された。クーレケインは帝都を制圧し自らを皇帝と名乗っていたが、即位前に暗殺された。将軍タロスも首に深い傷を負い大声が出せなくなったものの、暗殺は未遂に終わった。クーレケインには子息がいなかったため、その後タロスがシロディール玉座に就き、自らをタイバー・セプティムと名乗るようになった。同時に、タムリエル全土の征服戦争を始めた。

 862年、シロディールがハイロックを征服した。ハイロック諸王国はタイバー・セプティムの優れた軍事力の前に次々と降伏していった。レッドガードの高王サーサード2世は抵抗したが、派閥の一つ「フォアベアーズ」に裏切られ、処刑された。2つの大派閥「クラウンズ」と「フォアベアーズ」が支配権をめぐって内戦状態となったが、フォアベアーズはタイバー・セプティムと協定を交わし、帝国を内戦に介入させた。

 ストロス・エムカイ島ハンディング湾に追い詰められたクラウンズのア・トール王子が、アミエル・リッチトン提督率いる帝国軍に攻撃された。ドラゴンのナファーリラルガスのファイアブレスと毒矢を受けたア・トール王子は死亡し、戦いは終結した。アミエル・リッチトンはストロス・エムカイ島の属州総督に任命された。

 864年、傭兵サイラスが不眠同盟と協力して反乱を起こし、帝国艦隊を撃破した。サイラスはア・トール王子の魂刀で武装し、発掘されたドワーフ製の蒸気気球船の上でアミエル・リッチトン総督、暗殺者ドラムと対峙し、勝利した。これにより皇帝タイバー・セプティムはハンマーフェルに有利な和平条約の締結を余儀なくされた。

伝説の傭兵サイラス

 882年、モロウウィンドのレッドマウンテン最下層で、ダゴス・ウルと配下の灰吸血鬼たちが目を覚ました。彼らは心臓の間で密かにロルカーンの心臓を制御し、第二のヌミディウム建造を始めた。トリビュナルは年に一度、ロルカーンの心臓から神の力を補給するためレッドマウンテンへ向かっていたが、ダゴス・ウルに妨害された。以後トリビュナルは第三紀後半まで何度も突入を計画するも、ことごとく失敗した。ダゴス・ウルは夢を通じて信者を集めた。抵抗力のなかった信者は病に侵され獣となり、抵抗力のあった信者は「上位の眠れる者」へと強化され、より高みへと至った。

 896年、帝国とアルドメリ自治領の戦争が始まった。セプティム艦隊は強大なエルフ連合軍の前に敗北を繰り返した。タイバー・セプティムはモロウウィンドとの休戦条約によってヴィヴェクから提供されていたヌミディウムの使用を決断した。提供された時点でのヌミディウムにはロルカーンの心臓がなく、使用できる状態ではなかった。タイバー・セプティムの腹心の戦闘魔術師であったズーリン・アルクタスがこれを修復し、「マンテラ」を制作して自らの魂を捧げ、ヌミディウムの軌道に成功した。さらに「タイバー・セプティムのトーテム」を製作し、これによってのみヌミディウムを操縦できるようにした。彼は元々はサイジック会に所属していたが、乱世を平定しようとするタイバー・セプティムに仕えることにしたという。ヌミディウムはアルドメリ艦隊とアルドメリ陸上部隊を壊滅させ、アルドメリ自治領は短期間のうちに降伏した。ズーリンとタイバー・セプティムは、ヌミディウムを戦争にのみ使うと約束したが、タイバー・セプティムは約束を破り、その力で中立国にも戦禍を広げた。ズーリンはヌミディウムを止めるため、単身でセプティム軍に反旗を翻した。ヌミディウムはバラバラに壊され、セプティム朝の親衛隊ブレイズは何世代にもわたってそれらヌミディウムの部品を回収することとなった。マンテラはエセリウスに投げ込まれ、魂を捧げたズーリンはアンダーキングとなった。生命力を失ったアンダーキングはハイロックの秘密の地下室で仮眠状態に入った。アンダーキングはマンテラを取り戻す方法を見つけるために部下を派遣し、セプティム朝と敵対することとなった。

 897年、第二紀は終焉を迎えた。

第三紀

 1年、タイバー・セプティムが第三紀の開始を宣言し、セプティム朝初代皇帝となった。なお、セプティム家には遊び人のような者が多かった。

 110年、タムリエル大陸外に位置するピアンドニア島の王オルグナムがタムリエル大陸を攻撃し、シロディールにて島戦争が起こった。帝国はサマーセット島のサイジック会と諸王と協力しピアンドニア島の無敵艦隊を撃破した。島戦争の発端はソリチュード女王ポテマの陰謀にあるとされる。ポテマはセプティム朝第6代皇帝ペラギウス・セプティム二世の娘で、一流の為政者であり、非常に強大な力をもつ死霊術師でもあった。

111年、ペリナル・ホワイトストレークの聖遺物を回収するため、アミエル卿がシロディールにて九大神の騎士団を設立した。

119年、セプティム朝第7代皇帝アンティオカス*3が死亡し、娘のキンタイラ二世の戴冠のため元老院会議が始まった。アンティオカスはペラギウス・セプティム二世の息子であり、ポテマの兄でもあった。遊び人のような者の多かったセプティム家の中でも抜きん出た放蕩家で、政治よりも色街通いに時間を費やしたといわれる。ただし社交術に優れたかなりの切れ者で、政治の面でも中々の手腕をみせたという。

 120年、キンタイラ二世がセプティム朝第8代皇帝に即位した。彼女は歴代で最も不運な皇帝といわれる。自らの息子であるユリエル三世が即位できなかったため、ポテマがスカイリムおよびその同盟国モロウウィンドを率いて反乱を起こし、ユリエル三世の即位を求めた。この反乱はセプティム家のシンボルである赤いダイヤモンドから、レッドダイヤモンド戦争といわれる。これに対し、ブラック・マーシュ属州リルモス王国のマグナス、ハイロック属州ギレイン王国のセフォラスがキンタイラ二世の王座を支えた。この戦争でペリナル・ホワイトストレークの聖遺物がポテマによって使われ、失われた。

 121年、キンタイラ二世がシロディールにてポテマ軍に捕縛され、ユリエル三世が皇帝に即位した。ペリナル・ホワイトストレークの聖遺物の所有をめぐり仲違いが発生し、九大神の騎士団が分裂した。アミエル卿はただ一人、九大神の修道院で余生を過ごすこととなった。

 123年、シロディールにて、監禁中のキンタイラ二世が死亡した。

 127年、ハイロックにてイチダグの戦いが起こり、セフォラスがユリエル三世を打ち負かした。ユリエル三世は城へ護送中に暴徒と化した群衆に焼き殺された。セフォラスはシロディール皇帝に即位した。

 131年、解散布告により九大神の騎士団が解散した。布告に従わない者もいた。

 137年、ソリチュードにて、ペラギウス・セプティム三世がセフォラスに従いポテマを包囲した。ペラギウス・セプティム三世はポテマとセフォラスの甥にあたる。ポテマは1ヶ月の籠城後に死亡した。同盟者が次々に離反する中、彼女はデイドラとアンデッドの軍勢を使って最後まで戦い続けたといわれる。スカイリムでは、王室議会の指示に従い、ペラギウス・セプティム三世が名義上のスカイリム皇帝に即位した。

ソリチュード

 139年、神に仕える身であったカシミールが、毎日聖堂にやってくる乞食に業を煮やし、ついには聖堂内で殴殺してしまった。カシミール卿は初代九大神騎士団の一人で、その昔「聖戦士の篭手」を発見し、引退後は聖堂で神のために尽くしていた。レッドダイヤモンド戦争での戦いの日々が、彼の慈愛の心を失わせてしまったのだといわれる。このことがきっかけで、聖戦士の篭手が突如呪われ、人力では微動だにしないほど重くなってしまった。

 140年、セフォラスがシロディールにて事故死し、マグナスがシロディール皇帝に即位した。

 145年、マグナスが死亡し、ペラギウス・セプティム三世がシロディール皇帝に即位した。彼はかなりの狂人とされ、後述するが最終的には精神病院に送られることとなった。彼の狂気の原因はポテマが死に際に遺した呪いのアミュレットによるものとする説もある。彼に統治能力はなく、実質的にはダンマーである妻のカタリア・ラシム元老院が全てを決定していた。

 147年、ペラギウス・セプティム三世の体調悪化を理由に、カタリア・ラシムの摂政就任が宣言された。民衆にはペラギウス・セプティム三世が正気を失ってしまったためだろうと信じられており、個人的にも実際その通りなのだろうと思う。

 150年、ヴァーデンフェル島でアベルナニット攻城戦が起こり、アベルナニットのデイドラの祠が破壊された。

 153年、ペラギウス・セプティム三世が精神病院へ送られ、その後ベトニー島のキナレス聖堂で客死した。カタリア・ラシムがセプティム朝第13代皇帝に即位した。ペリナル・ホワイトストレークの聖遺物の奪還という使命を果たすため、アミエル卿がヴァヌアの遺跡へ行き、そこで「聖騎士の兜」を回収しようとして死亡した。

ベトニー島

 200年、セプティム朝第13代皇帝カタリア・ラシムがブラック・マーシュでの騒乱により死亡した。当初はエルフが皇帝となることに批判の声もあったが、彼女は善政に尽力し、最終的にはタムリエルの人々から大いに好かれる皇帝となった。結果として46年間の任期を通して平和に満ちた統治を実現し、現在この時代は帝国最良の時代の一つに数えられている。彼女は現時点でシロディール唯一のダンマーの皇帝である。

 247年、ヴァレンウッドにて、ヘイモン・キャモランがキャモラン朝の王座を要求して征服戦争を始めた。彼は強奪者キャモランなどと呼ばれ、家門の有力者キャモラン・カルトスお抱えの妖術師として、諸邦分立状態にあったヴァレンウッドの統一に貢献した。

 249年、ヘイモン・キャモランがヴァレンウッドを征服し、ハンマーフェルとシロディールのコロヴィア地方を征服するため北上した。シロディール皇帝セフォラス二世がこのキャモラン軍を食い止めるためコロヴィアへ派兵したが、強力なデイドラとアンデッドの軍に敗れた。彼はこの頃からヴァレンウッド外の領域にも侵攻し始め、極端に酷薄な占領地政策をとったことで、比較的穏健な統治を好むキャモラン・カルトスと対立するようになったが、最終的にはカルトスを戦争で打ち破り、ヴァレンウッドの支配者として君臨することとなった。

北上するキャモラン軍

 253年、ハンマーフェル南部が陥落し、キャモラン軍はドラゴントゥースの戦いでタネスとリハドの都市連合軍を打ち破った。

 263年、ハンマーフェルの大部分がキャモラン軍に征服された。

 267年、ハイロックがドワイネンの男爵オスロックと対キャモラン同盟を結んだ。キャモランがカルトス軍を率いてハイロックを攻撃するも、悪天候が致命的な足枷となり、イリアック湾でオスロック率いるハイロック諸国連合軍の前に大敗した。ヘイモン・キャモランは戦死し、彼による征服戦争は終結した。なお、後に彼の愛人のウッドエルフが出産し、息子のマンカー・キャモランと共に行方不明となった。もっとも、マンカー・キャモランの父親がヘイモン・キャモランであるか否かは厳密には不明である。マンカー・キャモランは、後に著名なデイドラ研究家として名を馳せることとなった。一連の戦争に参加していたファシル・アンブラノックス提督が、アンヴィル海域の海賊の討伐を命じられた。

イリアック湾

 268年、ファシル・アンブラノックスがアンヴィル海域の海賊団を壊滅させ、褒賞としてアンヴィルの地を与えられた。

 270年、帝国がタムリエル・アカヴィル間の海域にある小王国の征服を始めた。

 271年、帝国がタムリエル・アカヴィリ間のロスクリーを征服した。

 276年、帝国がタムリエル・アカヴィリ間のキャスノキーを征服した。

 279年、帝国がタムリエル・アカヴィリ間のイェスリーを征服した。同じくタムリエル・アカヴィリ間のエスロニーの王子バショモンが、エスロニーを帝都へ引き渡した。エスロニーはアカヴィル大陸遠征の指令基地として利用されることとなった。

 285年、帝国はアカヴィル周辺の偵察を始め、アカヴィル大陸南西のツァエシ王国を最初の攻撃目標とした。

 288年、帝国がアカヴィルに侵攻した。ツァエシ王国の二2都市がほぼ無抵抗で陥落し、それぞれイオニスとセプティミアに改名された。

 289年、帝国軍の輸送艦隊が初冬に到来した嵐に破壊された。帝国軍は供給ラインを絶たれた状態で冬を過ごすこととなった。ツァエシ軍が帝国軍に和平を装い奇襲をかけた。

 290年、ツァエシの大軍がイオニスを攻撃し、シロディール皇帝ユリエル五世が戦死した。セプティミアも陥落し、帝国軍はアカヴィルから撤退を余儀なくされた。ユリエル六世がシロディール皇帝に即位し、彼が成人するまで母のソニカが摂政を勤めた。

 313年、ユリエル六世の謀略と彼の妹モリハーサの支援により、元老院が支配された。その後ユリエル六世は死亡し、モリハーサが皇帝に即位した。彼女の統治は正確であったが、慎重すぎたとされる。

 339年、帝国軍を派遣してもらえなかったために女帝モリハーサを逆恨みしたアルゴニアンが、彼女の暗殺を依頼した。モリハーサは暗殺されたが、彼女には子どもがおらず、妹のエロイザも死亡していたため、エロイザの息子であるペラギウス・セプティム四世が皇帝に即位した。

 368年、ペラギウス・セプティム四世が死亡し、息子のユリエル七世がセプティム朝第21代皇帝に即位した*4

 376年、魔術師ジャガル・サルンが、自身を吟遊詩人ナイチンゲールと偽り、モロウウィンドのモーンホールドの鉱山にてモロウウィンド女王バレンジアから「混沌の杖」を盗み出した。

 389年、宮廷魔術師として皇帝ユリエル七世に仕えていたジャガル・サルンが、混沌の杖を使いユリエル七世と軍指揮官をオブリビオンに幽閉した。ジャガル・サルンは混沌の杖の幻惑魔法で皇帝になりすまし、帝国を支配した。それまでの自らの立場は助手(弟子)のリア・シルメインに引き継がせようとしていたが、そのことを知った彼女が元老院に報告しようとしたため、その矢先に彼女を自らの手で暗殺した。なお、彼女はその後幽霊となり、後述する「囚人*5」といわれる人物を助けたとされる。ジャガル・サルンのなりすまし後の暴政の結果、タムリエル中が戦火に包まれることとなった。混沌の杖は8つの破片に分けられ、タムリエル各地に隠された。この事件は後に「帝国幻影事件」と呼ばれるようになった。

 396年、各地で過去の遺恨が再燃し、戦争が起こった。Blue Divide戦争で、サマーセット島が元同盟国ヴァレンウッドを破った。Arnesian戦争で、モロウウィンドがブラック・マーシュを破った。Bend'r-mahk戦争で、スカイリムがハンマーフェルとハイロックの連合軍を破った。

 397年、囚人やモロウウィンド女王バレンシアらによって、ユリエル七世がジャガル・サルンであることが見抜かれた。

 399年、五年戦争でエルスウェーアがヴァレンウッドを破った。シロディールにて、監獄にいた「囚人」が幽霊リア・シルメインの助言を受け脱獄し、皇帝ユリエル七世および軍指揮官の救出のためタムリエル各地に隠された混沌の杖の破片を全て回収した。ところが、混沌の杖の魔力はジャガル・サルンの持つ宝石のものであったこと、皇帝ユリエル七世および軍指揮官を救出するにはジャガル・サルンを倒すしかないことが判明した。囚人は帝都のサルン城地下迷宮でジャガル・サルンを殺害した。その後囚人は皇帝ユリエル七世と軍指揮官をオブリビオンから解放した。皇帝ユリエル七世は囚人に「エターナル・チャンピオン」の座を与えた。なお、エターナル・チャンピオンの座を与えられた後の彼の行方を知る者はいない。

 402年、ハイロックにて、ベトニィ島の財政問題を解決するため、Mogref卿をベトニィ王にすることにダガーフォール王ライサンダスが同意したが、センチネル王Camaronが同意しなかったため、ダガーフォール・センチネル間でベトニィ戦争が起こった。戦争中、Reich Gradkeep卿がそれぞれの王を呼び出し和平交渉をしようとしたが失敗した。ダガーフォールの聖職者Vanechが聖地を守るために条約をでっち上げ、ライサンダスを怒らせた。Vanechの裏切りを知っていたCamaronはVenechを追跡し、殺害した。戦争が激化すると、Reich Gradkeep卿の家族が殺された。唯一生き残った病弱な後継者の代わりに、Auberon Flyte卿が摂政となった。

 403年、ハイロックにて、ダガーフォール王ライサンダスが何者かに暗殺され、息子ゴスリッドが王位を継いだ。

 センチネル王Camaronが竜騎士団のリーダーBridwell卿に討ち果たされた。センチネル軍は敗走した。後にOresme卿が降伏・自害し、ベトニィ戦争は終結した。

 404年、センチネル王女アウブキが人質としてダガーフォール王ゴスリッドに嫁ぐこととなった。

 皇帝ユリエル七世がライサンダスの妻にヌミディウムについての手紙を送ったのだが、手紙はダガーフォール王妃アウブキの元に届いてしまった。その後、手紙は紆余曲折を経てオルシニウム王ゴートヴォグの手に渡った。ゴートヴォグはヌミディウムがどのようなものか分かっていなかったため、虫の王アニマルコに意見を求めた。これにより、ヌミディウムの存在が多くの人々に知れ渡ることとなった。

 ライサンダスが幽霊となりダガーフォールに出現し始めた。

*1:デイドラ寄り

*2:寿命のある生物のこと

*3:「セプティム」が皇帝の称号になったのは第9代皇帝以降であり、歴史書において彼の名は基本的に「アンティオカス」と表記されている

*4:24代とする資料もある

*5:TES Arenaの主人公